大塚美智子著
信じて待つ 子育てのコツ
四年生の春までは二、三歳児と同じと思われていた真美ちゃん(仮名・自閉症児)が著者との交流の中で、その内に持つ豊かな感性を発掘され、授業にも驚異的な早さで同級生に追いつき、中学進学を心配する周囲を尻目に有名私立中学校に合格した、その三年間の歩みを描いた、感動のドキュメント。
他に、不登校児の事例、重度の重複障害児が懸命に生きようとする姿に素直に感動する子供たち、感動にあふれた卒業式など、人間の素晴らしさ、子供の素晴らしさを痛感させられる本です。

【目次より】
第一章 自閉症児真美ちゃんが教えてくれたこと
真美ちゃんとの出会い/真美ちゃんの日記
「学校では分かってくれない」/先入観
もっとわかって――四年生の時の日記から
真美ちゃんの学習の変化
奇蹟が起こった/居場所
自尊心/自閉症そのままで素晴らしい
真美ちゃんとの交流/肉体の劣性や障害を超えて
自覚を育てる/過去の叱責にも縛られる
自信喪失の子供に対して
受容されているとの思いが受容する心を育てる
祈りの実現
第二章 心の根っこを育てる
信じて待つ/不登校偶然の中にあったきっかけ
きっかけがきっかけを呼ぶ/先生方の連係プレー
良くなってきたときに出てくる指導者の欲
苦手な体育の心理的克服
無理のない形でクラスの中に/自然は癒しの天才
“やわ”な子に育てないために/木の剪定
O―157/いじめの根っこに
現在のいじめの問題点/雨の中の登山
キャンドルサービス/叱る
身に付けるとは/繰り返しの力
基礎基本の定着/人間の価値の基準
卒業生に贈る言葉
第三章 みんなちがってみんないい
どの子も主体的に行動できる/学芸会
心のキャッチボール/ポジティブ・シンキング
情緒障害学級で/できることを大事にしながら
学習障害/「風呂敷の原理」で
生命をみつめる/道徳の授業で
桂ちゃんの誕生と成長/桂ちゃんの卒業式
とうとう文字が書けた!/素材を生かす生き方
体育嫌い/鉄棒
跳び箱/オンリー・ワンの教育
オンリー・ワンの教育」/個性について考える
個性の本質/真に価値ある生き方とは
三年寝太郎/あとがき

【著者紹介】 大塚 美智子(おおつか・みちこ)
昭和18年、北海道生まれ。東京学芸大学学芸学部教育心理学科卒。昭和40年東京都公立小学校教諭。昭和41年宮城県公立中学校教諭。昭和57年宮城県公立小学校教諭。平成6年仙台市教育委員会指導主事。平成9年公立小学校教頭。新教育者連盟理事。著書に『認めてほめて引き出して』がある。
▽四六判・並製
248頁

ISBN4-531-06376-7
初版発行 2002年


日本教文社刊

 

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