和久廣文著
症状別 神経症は治る 2
対人恐怖症編
他人との関係をめぐって、家から出られなくなるほどの激しい恐怖・不安・妄想にさいなまれる対人恐怖症。
その苦悩者の方々に頻繁にみられる、日常生活の自由を奪ってしまう五つの症状――。
「神経症」のレベルにまで悪化した重度の症状を克服するための秘訣を、著者が自らの実体験から熱血指導。
対人恐怖にしばられたあなたの心を、根本的に変えてくれる、具体的ですぐに役立つ回復への処方箋。

【目次より】
はじめに
第1章 ● 視線恐怖
1.人の視線がこわくて外に出られない
‖1‖外出をためらうなかれ 
   人の視線に敵意を抱くな
   
人の視線を気(苦)にするな
‖2‖友好的、協調的に接してみよ
    多勢の視線に愛着を持つべし
   
家族の視線について
    
人に見つめられると、こわい
2.心の状態は目に表れる
‖1‖人と視線を交わす方法
   
気(苦)にはなっても、平静さを保つのが大切
   
人のまなざしは十人十色

‖2‖心が変われば、きっと豊かな感情がわいてくる
   
意識的な実践への入り方
   
潜在意識からの「ゆさぶり」や
   
「ささやき」(恐怖による動揺)をおだやかにする
3.「視線」から離れた心
‖1‖視線へのとらわれ
   
疑念の抱きすぎ
   
見て見ぬふり
   
治すことにこだわりすぎない
‖2‖社会の中で自分の出番があればよい
    自己実現せよ

第2章 ● 赤面恐怖
1.赤面は病気ではない
‖1‖はずかしい場面でないのに「赤面」してしまう
    「体質だから……」と受け入れてしまうべし
    「蒼い顔」になるための努力はバカらしい 
‖2‖顔が火照ってきたときの対処法
    「逃げる」のは卑怯で、相手に失礼
    「赤面」のために恋人や友人にきらわれることはない
2.自分自身(赤面)から逃げるべからず
‖1‖人の視線から逃げる必要はない
    対面を避けるべからず
    赤面から逃げるのではなく、「才能の開花」へ
‖2‖「善意の受容」で関わるべし
    得るものがあっても失うものはなし
    人はあなたの善意に応えてくれる
3.「赤面」だからといって人間性を疑われることはない
‖1‖友を失うのは「赤面」のためではなく、
    あなたの心に問題があるからである
    赤面恐怖などは克服し、友と地位と名誉を得る
‖2‖すべてに積極的であれ
    「流れる心」の力を信用せよ 

第3章 ● 群衆恐怖
1.心身のエネルギーが低下していないか
‖1‖精神(神経)疲労におちいっていないか
    心身が疲れているのなら休養すればよい 
‖2‖抑うつ状態におちいっていないか
    くだらない観念に負けるな 
‖3‖不安神経症や強迫神経症におちいっていないか
    どのくらいがんばればいいのか 
2.何か重荷を背負っていないか 
‖1‖人間関係
    上司と部下
    「気おくれ」について 
‖2‖責任の感じすぎ
   ときには「ノー」と言う 

第4章 ● 被害恐怖
1.家族生活 
‖1‖家族との関わり
    憎悪の感情について 
‖2‖事故・事件・天災
    (暴風・地震・落雷・洪水など)への被害恐怖
    事故や事件、天災に対する見方と考え方
2.劣等感(劣等意識)
‖1‖学歴
    高校中退の場合 
‖2‖性格
    内向的性格 
‖3‖体質
    体臭
    多汗 
‖4‖容貌・体型
    人間の価値は容貌や体型よりも心のあり方にある

第5章 ● 加害恐怖
1.人に危害を加えるのではないかと心配 
‖1‖非力な女性(女子)や幼児への加害をおそれる 
‖2‖症状のために、いやな場面では
    人や物に対して攻撃的な気分になる
    電車のなかの客のマナー
2.放火するのではないかと心配だ 
‖1‖マッチやライターにさわれない
   「健全な使用目的」にまでおびえる必要はない 
‖2‖灯油やガソリンが気(苦)になって仕方がない
   灯油やガソリンに関わる事件を耳にするのがこわい
3.刃物が気(苦)になって仕方がない
‖1‖台所で包丁を使いたくない 
‖2‖日曜大工に参加できない 
4.自家用車や自転車に乗っていて、
  少しでも衝撃があると事故を連想する 
‖1‖自家用車や自転車の運転での「心配」
   自分の五感を信ぜよ 
5.家族や他人による確認や保証がないと、
  「安全」「無事」の感覚を得られず不安だ 
‖1‖家族の対応はどうあるべきか
   苦悩者の自覚のあり方 
‖2‖他人からの確認・保証について
   自分の感覚に自信を持つべし 

おわりに 

【著者紹介】 和久廣文(わく・ひろふみ)
昭和八年、千葉県生まれ。若い頃に数々の神経症に苦しみ、その克服の体験に基づき、「流れる心」による心理療法を開発。心理克服センター設立後は、症状者やその家族への「共感」「客観性」を駆使した面接指導と電話指導で数多くの成果をあげている。
主な著書:

『強迫神経症は治る』(日本教文社)
『不安神経症は治る』(日本教文社)
『強迫神経症克服マニュアル』(日本教文社)
『家族に贈る強迫神経症の援助法』(日本教文社)
『症状別 神経症は治る 1』(日本教文社)
『新版 あなたの「強迫神経症」』(オーエス出版)
▽四六判・並製
256頁

ISBN4-531-06379-1
初版発行 2003年2月


日本教文社刊

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