オフィスから出される膨大なゴミ……。その多くが分別されることなくゴミ箱に捨てられている。これは資源の無駄遣いであり、職場環境や業績の悪化につながる大問題。
長年サラリーマンをしていた著者が、定年後、ビル清掃員へと転身してはじめてわかった、オフィスのウラ側。そこから見えてきたのは、「優良会社」とそうでない会社の違いであり、地球環境問題の深刻な現状だった。
全国1億2千万人のほとんどの人が、毎日なんらかの形でビル建物とかかわっている。
しかしほとんどの人は、“ビルの世界”を知らない。今まであまり知られていなかったビルメンテナンスについてわかりやすく解説。ビルにかかわるすべての人に読んでほしい本。
【目次より】
推薦のことば―日野原重明
はじめに
第1章 ビル清掃員は見た―ビルクリ豆鈴木、誕生!
ビル清掃員・豆鈴木 見参!
好きなことをやりたい!
似顔絵作家・豆鈴木
「元気に百歳」クラブのスタート!
「一〇〇歳人生、三期説」
第一期「保護期」(〇歳〜二九歳)
第二期「成長期」(三〇歳〜五九歳)
第三期「自立期」(六〇歳〜一〇〇歳)
豆さんの自立奮闘記
はじめてのビルクリ
恵比寿ガーデンプレイスに戦場を移す!
○豆さんのギョーカイ豆知識 その1
知ってるかい? ビルの世界
星の数ほどビルがある?
第2章 ビルクリの現場―ゴミといつまでも
恵比寿ガーデンプレイスで「オッハー」
準備するもの「常に笑顔!」
ゴミ箱の定番
ゴミ回収――ゴミといつまでも
ゴミ箱にも「顔」がある
回収作業は慎重に
第3章 ビルクリは楽しい!
―ビルクリは心身をキレイにする
昇る朝日に、輝く富士山
学生さんも多かったYGP
ビルクリで、若返ろう!
ビルクリで、シェイプアップしよう!
○豆さんのギョーカイ豆知識 その2
ビルメンテナンスって何?
超ビッグな業界
第4章 ゴミの見本市―オフィスにおける環境意識
ペアで行こう!
ゴミの見本市
膨大な量の紙が捨てられる
ビルクリの喜ぶオフィスを
第5章 ゴミ箱の気持ち―可哀相なゴミ箱たち
ゴミ箱の気持ちはよくわかる
ゴミ箱だってキレイになりたい
コーヒー、コーラの飲み残しをそのまま
捨てるのはやめよう!
ゴミ箱をカラにして退社しよう!
○豆さんのギョーカイ豆知識 その3
ビルメンテナンス業の起こり
日常清掃と定期清掃
掃除の世界は奥が深い
YGPTのカーペット管理法
第6章 リサイクルは誰のために
―環境は未来の人類のために
業績アップにつながる
地下三階はいつもピカピカ
何のための、誰のためのリサイクル?
○豆さんのギョーカイ豆知識 その4
YGPは未来型エコ基地だった!
ゴミを処理するシステムを
第7章 整理整頓がすべての基本
―バキュームこそオフィスの命
君こそわが命
バキュームがけしやすいオフィスづくりを
幅四〇センチのバキュームが通れない!
ビルクリのしやすいオフィス・レイアウト
ビルクリには「払いと拭き」がまずありき
バキュームがけは「点検も兼ねる」
○豆さんのギョーカイ豆知識 その5
生ゴミは強敵だ!
ゴミ戦争
第8章 コンクリートジャングルの悲劇
―ビルが地球環境を悪化させている
加速するヒートアイランド現象の対策は?
酷暑との壮絶な闘い
熱を発する都市
○豆さんのギョーカイ豆知識 その6
オフィスの環境意識をもとう
紙は何でできるの?
古紙利用の歴史
第9章 ビルクリ現場の声―クリーンクルーのホンネ
仕事は「クリーンクルー」です
クリーンクルー登場
ビルメンテナンスという世界
クルー長に訊く
幅広い恩恵を与えてくれる仕事
いちばんよく働くのは?
「整理整頓、清潔に」をいつも徹底指導
バキュームは隅っこには入れない
○豆さんのギョーカイ豆知識 その7
森を守れ!
環境への取り組み
第10章 ビルクリは地球を救う
―「生きがい」をもって行こう!
「護美箱」って知ってる?
現場では地球資源の枯渇を実感
ニッポンの若者
ビルクリは地球環境問題の最前線!
○豆さんのギョーカイ豆知識 その8
輸入木材はどこから
紙を消費し過ぎていないか?
特別篇 業界トップへのロング・インタビュー
―全国ビルメンテナンス協会会長・梶野善治さん
第11章 「共生」への思い
―グリーンセンター構想
みんな元気になろう
みんなで暮らそう!
理解者をふやそう
天命を生ききる
緑の施設
現代社会に落胆した
自然への回帰
「老後の不安」のない世界
「共生」の町
「グリーンセンター構想」に馳せる夢――岩崎加根子
おわりに
【著者紹介】
鈴木将夫(すずきまさお)
1939年、名古屋市生まれ。東海高校、早稲田大学第一文学部卒業。1962年、広告会社博報堂入社。営業局、人材開発室、新潟支社長、博報児童教育振興会事務局長を経て、1999年5月、定年退職。
「趣味の似顔絵」で、東京都教育委員会主催「生涯教育のための講座企画コンペ」で優秀企画講座に認定される。高齢者施設などで似顔絵を描くボランティアをはじめたのを皮切りに、NHK文化センター、三越文化センター、品川区シルバー大学などで「似顔絵講座」を開講。ペンネームは豆鈴木。
2000年1月1日、ボランティア・グループ「元気に百歳」クラブを立ち上げ、現在、代表幹事。同時に三年間、ビル清掃作業の仕事に励んできた。
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