和久廣文著
症状別 神経症は治る 3
不潔・縁起・雑念・不完全恐怖症編
苦悩者よ、人生をあきらめるなかれ!
あなたの強迫観念は必ず消えていく!

手を何度も洗い、衣服を着替える「不潔恐怖症(病的な潔癖症)」や、「4」や「9」などの縁起の悪い数字・言葉に心が引っかかる「縁起恐怖症」、自分の記憶や行為の「正確さ」にこだわって同じ行為を何度でも繰り返す「不完全恐怖症(不正確恐怖症)」など、神経症が引き起こす不合理な恐怖や、不幸への妄想……。
それらの強い「こだわり心」に負けない克服への心のコツ=「流れる心」の習得法を、自らも体験者であった著者が熱血指導! 他人には分からない心の苦しみを軽減・消滅させてくれる、苦悩者の心に響くアドバイスの数々。(シリーズ最終巻)

【目次より】
はじめに
序――「流れる心」とは

第1章・ 不潔恐怖
1……中学生よ、高校生よ、その両親よ
●1● 家族はわが子の苦悩に精一杯に耳(心)を傾け、症状者は症状を家族(親)に打ち明けてみるべし
     強迫観念と強迫行為の認識と自覚
     遅刻や早退、欠席にどう対応したらよいか
●2● 親は専門家から「わが子への関わり方」を教えてもらうべし
     休学するほどの症状ならば、
     親の思いつきの援助では克服はむずかしい
     不潔恐怖症のわが子に親はどう関わったらいいのか
2……大学生(専門学校生)よ
●1● 建設的・創造的なことに心が向けば、克服への心的エネルギーが発動する
    知的理解一辺倒では克服は期待できない
●2● 何を学ぼうと、懸命に学べばその道の専門家になれる
    身(心)につけた「能力」は心のバランスをとり、劣等感や挫折感からあなたを救ってくれる
3……若きビジネスマン(OL)よ
●1● 症状があってもかまわない。最善を尽くせ!
    「粘り」を放棄しなければ、幸福も克服も得られる
●2● 結婚について
    適齢期への考え方
    結婚を急ぐ必要はないが、諦める必要もない
4……夫婦よ、知恵を発揮せよ
●1● 感情のもつれを回避せよ
    症状者が「夫(妻)は症状を理解すべき!」と開き直るのは、得か、損か
    妻(夫)を症状の巻き添えにしてはならない
●2● 夫は万難を排して家計を維持し、
    妻は万難を排して家事をこなすべし
    夫(妻)を「異常者扱い」しても、何の利益もない
    症状があっても「いたわり」の気持ちがあれば、まず離別(離婚)にはいたらない
5……子育て
●1●「わが子に症状を見せまい、気づかれまい……」と願う心は克服にも効く
    症状に慌てるな!
●2●「忍耐」は子どもにも自分にも善なり
    「忍耐」は必要なり
●3● 子どもを強迫観念や強迫行為の道づれにしてはならない
    強迫観念や強迫行為を子どもに教えるなかれ!
    症状の道づれは、なんとしても避けるべし
6……家長(家の主人)
●1● 精一杯に家長を務めれば、家族はきっと援助をしてくれる
    症状を言い訳にして、「売り言葉に買い言葉」の感情的対立に陥るなかれ
    前向きに克服せんとする姿は、必ずや家族の心を動かす
●2●「初めに症状ありき!」では、家族の心は離れてしまう
    家族に愚痴や泣き言を言ってばかりなのは考えものだ
    強迫行為の「代行」の強要は、家庭崩壊へとつながる
7……中高年者よ、弱気になるな
●1● 克服の「達人」をめざせ
    症状がしつこく残っていても、今さら慌てる必要はない
    疎外感に陥るなかれ
●2● 中高年者よ、伴侶との旅をしてみませんか
    旅行(遠出)への意欲を持て
8……重度の症状者よ
●1● 症状のエスカレート(悪化)について
    エスカレート(悪化)への落とし穴
●2● 身体を動かし(働かせ)、心を流すべし
    「汚い!」と思っても、あとで手を洗えばよい
    座りっきりや横になったきりでは「流れる心」になりにくい
    もう何年も外出していない(できない)場合は、どうしたらいいのか
●3● 克服のためなら、何度でも家族の援助を要請しよう
    援助は謙虚な気持ちで仰ぐべし

第2章・ 縁起恐怖
1……症状者よ、健常者の感覚を思い出すべし
●1●「縁起が悪い!」という気分はやりすごすべし
    「気(苦)にしない能力」と「気(苦)にする能力」
●2●「健全に流れる心」に症状的な恐怖は無縁
    とらわれていない心の流れ
2……症状者の縁起への考え方
●1● 不安神経症と強迫神経症における縁起恐怖
    不安神経症(パニック障害)における縁起恐怖
    強迫神経症(強迫性障害)における縁起恐怖
    プラスの自己暗示でも、度を超すのは考えもの

第3章・ 雑念恐怖

1……「くだらないこと」のはずだが……
●1● 雑念によるマイナス遊びはやめるべし
    つい、うっかり……雑念にとらわれていると、いつの間にか症状化してしまう
●2● 雑念は浮かんだまま放っておく
    気になる観念(行為)には、「頭上を飛び回る蝿」のように対処せよ
2……くだらない雑念は関わる値打ちなどない
    マイナスの追求思考をストップし、プラスの思考を駆使せよ
    雑念には初めから関わらないのが理想的
3……雑念に負けず、深入りしない方法
●1●「雑念を浮かべてはならない!」と、とらわれるな。
    雑念を目の敵にするな
    雑念には知らん顔(心)でいる
●2● さりげない心境が一番いい
    目の前の用向きに心を流しつづけよ
4……雑念とは上手につきあうべし
    気(苦)になるけど気(苦)にならない……
5……嫌だと思っている雑念を無視できるようになるには
●1●「無視しよう!」と意地になってはいけない
    「有害化しそうな雑念」にだけ対処せよ
●2● 心を症状以外のことへ流す
    「雑念の引力」に引き戻されそうな気分でも、
    なるべく心を先へ流すこと
6……雑念は「悪者」ではない。
    自分がくだらない形で力を貸しているにすぎない
●1●「外堀」から埋める
●2● うっかりすると「落とし穴」にはまる
    家族の「協力」はなるべくならしてもらわない
●3●「縁起」云々に災いをもたらす力などない
    世間の人たちの感覚に合わせる

第4章・ 不完全(不正確)恐怖
1……完全欲について
●1● 懲りる人、懲りない人
    懲りる人
    懲りない人
●2● 生来の執着性を長所にせよ
    執着性に懲りずに(失意に陥らずに)、最善を尽くすべし
    完全癖と上手につきあう方法
2……完全癖に追い込まれたならば
●1● チャンスは必ずやってくる
    今こそ勇気を持て!
    プラス思考の活かし方
●2● 客観性に力をつけよ
    健全な心のバロメーター
    努力はきっと実る
    健常者の感覚を範とせよ
●3● 仕事や家事、勉強における完全癖
    仕事における完全癖
    家事での完全癖
    勉強における完全癖
●4● 完全欲は善なり、完全癖は悪なり
    「完全さ」に対するプラス思考とマイナス思考
     禍を転じて福となす(完全癖から完全欲へ)
おわりに

【著者紹介】 和久廣文(わく・ひろふみ)
昭和八年、千葉県生まれ。若い頃に数々の神経症に苦しみ、その克服の体験に基づき、「流れる心」による心理療法を開発。心理克服センター設立後は、症状者やその家族への「共感」「客観性」を駆使した電話指導療法で数多くの成果をあげている。
主な著書:
『強迫神経症は治る』(日本教文社)
『不安神経症は治る』(日本教文社)
『強迫神経症克服マニュアル』(日本教文社)
『家族に贈る強迫神経症の援助法』(日本教文社)
『症状別 神経症は治る 1』(日本教文社)
『新版 あなたの「強迫神経症」』(オーエス出版)
▽四六判・並製
256頁

ISBN4-531-06390-2
初版発行 2004年1月


日本教文社刊

 

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