ビル・ランブレクト著 柴田譲治訳
遺伝子組み換え作物が世界を支配する
○食の福音か、災厄の始まりか?――知らない間に変容しつつある農業と食を、気鋭のジャーナリストが世界各地に取材。
*遺伝子組み換え作物(GMO)は誰が、どのように開発したのか?
*GMOは世界の農業と食をどう変えたのか?
*なぜアメリカはGMOを推進し、ヨーロッパは反対しているのか?
*そもそも人体や環境に影響はないのか?


 1990年代、アメリカを中心に開発が進んだ遺伝子組み換え作物は、いつのまにか、わたしたちの食卓にも紛れ込んでいます。
 しかし人体や生態系への長期的影響は十分検証されているわけではなく、また食糧生産が巨大多国籍企業の支配下に置かれることや、生物・文化の多様性を破壊する可能性への懸念から、ヨーロッパをはじめ世界各地で反対運動が起きています。
  本書はそうした遺伝子テクノロジーの農業利用の実態およびその社会的影響を、科学、政治、経済、文化、倫理等、さまざまな観点から多角的にとらえた出色のドキュメンタリーです。

【目次より】

はじめに
■第1部 遺伝子レストラン

第1章 開幕日―フィールド・オブ・ドリームズ
第2章 黎明期
第3章 Cry9の不名誉―穴だらけの規制
第4章 遺伝子レストラン
第5章 蝶をめぐる戦い―マルティナ vs マーガレット

■第2部 農場と医薬品業界で
第6章 遺伝子組み換え作物の使徒―イリノイ州発
第7章 ターミネーター
第8章 農務長官の庭園はオーガニックだらけ
第9章 アールとアイスクリームを食べながら
第10章 シェ・パニーズのブタ
第11章 ジャングルの遺伝子

■第3部 逆 風
第12章 怒りのビート―アイルランド発
第13章 ヨーロッパ式の民主主義―フランス発
第14章 「絶対に止められない」―イギリス発
第15章 なぜヨーロッパで失敗したのか?
第16章 インターネット上でのバイオテクノロジー論争
第17章 テクノロジーと農民の死―インド発
第18章 バイオテクノロジーとパラドクス
第19章 受難の地に沸き立つ議論―コロンビア発
第20章 シアトルの戦い
第21章 遺伝子組み換え作物の終着点―モントリオール発
終わりに
訳者あとがき

【著者紹介】
ビル・ランブレクト(Bill Lambrecht)
=1983年より『セントルイス・ポストディスパッチ』紙のワシントン特派員。約10年の政治記者生活の後、現在は環境・資源問題のジャーナリストとして健筆をふるう。工業先進国による世界貧困地域への有毒廃棄物投棄問題の追求でも知られ、1999年には世界の遺伝子工学の状況をレポートし、優秀なジャーナリストへの伝統ある賞「レイモンド・クラッパー賞」を受賞。。

【訳者紹介】
柴田譲治=1957年神奈川県川崎市生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。サイエンスライター、専門学校教員などを経て翻訳業。現在は猫と人間のパートナーとともに金沢市内の里山で暮らし、翻訳の傍ら畑作りに勤しむ。訳書には他にデイヴィッド・T・スズキ『生命の聖なるバランス』(日本教文社)などがある。
▽四六判・並製
560頁

ISBN4-531-08142-0
初版発行 2004年12月


日本教文社刊

 

日本教文社トップページへ