レオン・R・カス著 堤 理華訳
生命操作は人を幸せにするのか ――蝕まれる人間の未来 |
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○生命科学の力で自己を作り変えた人間の未来はどうなるのか?
米大統領生命倫理委員会のトップによる、迫りくる「人間の終わり」への警鐘。
●科学やテクノロジーに依存し、「自由」と「権利」の名のもとに遺伝子・生殖細胞・身体の改変や、不死までも求め始めた人類。その先に待っているのは本当に「すばらしい新世界」なのか? 米大統領生命倫理委員会を率いる著者による、「人間が人間でいられる未来」を守るための勇気ある提言の数々。 ◆「生命操作」の時代が生みだす重大な倫理的問題◆ *「身体改変」は新たな不平等を生み、民主主義の原理が崩壊する =推薦=フランシス・フクヤマ(ジョンズ・ホプキンズ大学教授、『歴史の終わり』『人間の終わり』)
【目次より】
はじめに ■ 第一部――テクノロジーと倫理学の本質と目的 第一章 テクノロジーの問題点とリベラル民主主義 第二章 倫理学の実践――どのように行動すればよいか ■ 第二部――バイオテクノロジーからの倫理学的挑戦 【生命と血統――遺伝学と生命のはじまり】 第三章 研究室における生命の意味 第四章 遺伝子テクノロジー時代の到来 第五章 クローニングと人間後の未来 【肉体と魂――人間の生における「部分」と「全体」について】 第六章 臓器売買は許されるのか――その是非、所有権、進歩の代償 【死と不死――最期まで人間として生きること】 第七章 死ぬ権利はあるか 第八章 尊厳死と生命の神聖性 第九章 栄えある生命とその限界――生命に終わりがある理由 ■ 第三部――生物学の本質と目的 ■ 第一〇章 生物学の永遠の限界 【著者紹介】 レオン・R・カス(Leon R. Kass, M.D.) 医学博士。シカゴ大学で生物学・医学を修め、ハーバード大学で博士号を取得。世界初の生命倫理学研究所「ヘイスティングス・センター」創立メンバーの一員。現在、シカゴ大学教授ならびに政策研究シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」の特別研究員をつとめる。2001年、ブッシュ大統領より大統領生命倫理委員会の委員長に任命される。著書に、『よりナチュラルな科学をめざして――生物学と人間の問題』、『人間のクローニングと人間の尊厳――ある倫理的探究』、邦訳書に『飢えたる魂――食の哲学』(法政大学出版局)(J・Q・ウィルソンとの共著)他がある。 【訳者紹介】 |
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