◎宇宙に意味といのちを取り戻す!
現在、科学の最前線では、近代以降の世界観・宇宙観を覆すような事実が次々と発見されています。すなわち、宇宙は分離した個別の事物によって成り立っているのではなく、万物は相互結合し、神秘的なまでに正確に微調整され、首尾一貫性を保っていることが明らかになりつつあるのです。古来、スピリチュアルな伝統においては、物質界と精神界は同じ一つのリアリティの二つの側面であり、人間と宇宙は一体である、と説かれてきましたが、科学はようやくその事実に気づき始めたのです。
世界賢人会議ブダペストクラブを主宰し、ノーベル平和賞候補にもなったラズロ博士は、本書で、物質的現実と精神的現実が、一貫性をそなえたひとつの全体の二つの側面であることを、物理学、天文学、生物学などの最新の証拠に基づいて論じています。本書後半では、その傍証として、ジェーン・グドール、エドガー・ミッチェル、スタニスラフ・
グロフ、ピーター・ラッセル等、世界的著名な研究者のエッセイが収められています。
無味乾燥な宇宙観に意味といのちをとりもどし、この宇宙が真の我が家であることを実感させてくれる書と言えるでしょう。
【目次より】
第1部 宇宙に魅力を取り戻す
第1章 万物にそなわる驚異的な一貫性
第2章 アカシック・フィールドの再発見
第2部 魅力を取り戻した宇宙
第3章 ハードプロブレム
第4章 存在をめぐる問い
第5章 リアリティについての包括的ヴィジョン
第3部 科学とスピリチュアリティの再統合
思想家たちの円卓会議
◎クリップナー&コンティ:リアリティの襞――魅力を 取り戻した宇宙が持つ科学的・精神的意味
◎エリザベット・サトゥリス:機械論的・競争的な宇宙 から、魅力を取り戻した共−進化する宇宙へ
◎クリスチャン・ド・クインシー:・メタヴァース・の 物語――科学が精神に出会う場
◎エドガー・ミッチェル:魅力を取り戻したリアリティ における意識
◎スタニスラフ・グロフ:アカシック・フィールドと現 代意識研究のジレンマ
◎ピーター・ラッセル:アーカーシャと意識
◎ヨハン・ウィッテフェーン:魅力を取り戻した宇宙と イスラーム神秘主義的世界観
◎スワミ・クリヤーナンダ:客観的リアリティとスピリ チュアルな真理との一体性
◎イレーネ・ファン・リッペ・ビースターフェルト:自 然および宇宙とのつながりを取り戻す
◎エヴァート・カズンズ:魅力を取り戻した宇宙への神 秘の旅
◎ラルフ・H・エイブラハム:宇宙魂の死と再生を概観 する
◎ジェーン・グドール:人類は孤独な存在ではない
まとめ――われらが故郷、宇宙への帰還
【著者紹介】
アーヴィン・ラズロ(Ervin Laszlo)
1932年、ハンガリー、ブダペスト生まれ。ピアニスト、哲学者、未来学者。ニューヨーク州立大学教授、ベルリン国際平和大学理事・教授、ユネスコ顧問等を歴任。世界賢人会議「ブダペストクラブ」を主宰。ミクロの世界から、人間社会、宇宙までを貫く原理とその構造を探究する「システム哲学」の研究と発展に努める。『システム哲学入門』(紀伊国屋書店)、『人類の目標』(ダイヤモンド社)、『マクロシフト』(文春ネスコ)、『創造する真空』『叡知の海・宇宙』『カオス・ポイント』(日本教文社)等、60冊以上の著書がある。イタリア、トスカーナ在住。
【訳者紹介】
吉田三知世(よしだ・みちよ)=京都市生まれ。京都大学理学部物理系卒業。技術系企業での勤務を経て、現在は英日・日英双方向の翻訳業に従事。訳書に、アーヴィン・ラズロ『叡知の海・宇宙』(日本教文社)、デイヴィッド・ボダニス『E=mc2』(早川書房、共訳)、ケン・オールダー『万物の尺度を求めて』(早川書房)、ピーター・マーティン『パース わたしの愛した犬』(バベル・プレス、監訳)などがある。
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