アリック・バーソロミュー著 野口正雄訳
自然は脈動する
科学による万物の一貫性の発見

◆自然が自らを生かす力に学べ―― 知られざる「神秘のナチュラリスト」の思想と技術を初紹介。

自然は「渦」と「脈動」のエネルギーから生命を生み出す――
水・樹木・土壌の神秘的ないのちの営みを探究し、数々の驚異的なエコ・テクノロジーを考案した「森の賢者」シャウベルガー(オーストリア、1885-1958)の、人物・思想・技術的アイデアを初めて紹介。自然との共生が求められる現代の私たちに、多くの分野で未来への斬新なヒントを与えてくれる本。

◆水の特異点「4℃」が鍵となる自然のダイナミックな動き
◆自然界の水は渦を巻き、脈動する「生きた存在」である
◆自然の無尽蔵のエネルギーを再現する「内破」理論とは?
◆生命力を増幅させる自然のデザイン=「卵型」の不思議
◆父なる太陽が、母なる大地を光によって受胎させることで生命が生じる
◆自然界のエネルギーは求心的で、廃熱や廃棄物をいっさい出さない
◆植物の生長と、河川・土壌の活性化をはかる独創的テクノロジーの数々
◆自然を破壊すれば人類の精神は退廃する:未来への予言

【目次より】

序章

浮揚力と無抵抗の動き/屈せざる者/もう一つの世界観/「自然の科学」に向けて

●第1部●もう一つの世界観   

第1章・ヴィクトル・シャウベルガーの先見性

水の魔術師/木材運搬用の水路/生命の源としての水/「動き」がもっとも重要/「温度」が支配する/進化/バランス/内破(爆縮)/先見性の人

  
第2章・さまざまな種類のエネルギー

自然の微細なエネルギー/ヴィクトルの世界観/なぜヴィクトルの思想はミステリーなのか?/エネルギーの諸段階/創造的進化の鍵となる渦巻き/創造的プロセスとしてのエネルギー/霊的な科学/異なる次元/「オクターブ」を変える

第3章・対極物の吸引力と反発力

肥沃化をもたらす存在としての太陽/自然の原動力としての極性/対極物が作用し合ってバランスをもたらす/重力と浮揚力

第4章・自然界のパターンと形状

共鳴としての音/共鳴は質に関わる/植物には知覚と記憶がある/振動と物理的形態/パターンと形状/動きに見られるパターン/太陽系に見られるリズム/二つの幾何学系の対決/神聖幾何学/黄金分割/卵形の魔法

●第2部●この世界はいかにして機能しているのか

第5章・自然なエネルギーの生産

現代の技術の非効率性/エントロピーとエクトロピー/科学的「法則」/エネルギーの汚染/目の前にある選択肢/エネルギーが質を決める/創造的なエネルギーの渦

第6章・動きバランスのための鍵

人類の使う間違った種類の動き/「原初」の動き/動きの種類

第7章・大気と電気とのエネルギー的関係

地球の大気/電気/地球のバイオコンデンサー/エネルギーの蓄積装置としての地球/「エレクトリシズム」と磁気/嵐、水蒸気、気候

●第3部●水:生命の源

第8章・水の性質

水の記憶/水の創造/水の特異点/さまざまな水の性質/川はいかにして自分を守っているのか/温度勾配

第9章・水循環

完全な水循環/半水循環/温度勾配と栄養供給

第10章・泉の形成

泉の崇拝/湧出泉/真の泉/湧き水はどのようにして上昇するのか/海からエネルギーを生産する

第11章・川の生命性

川のさまざまな段階/水の温度と動き/正の温度勾配を作り出す/川で生じる渦巻きの種類/創造的エネルギーの源としての渦巻き/川の湾曲部の形成/従来の河川工学/水力発電

第12章・生きた水の供給

減少し続ける水の供給量/利益のからむ水/現代の水の処理法/水の記憶を変容させる/管状の水の動き/水道管の材料/シュツットガルトでの実験/血液の循環/水の保存法
    
●第4部●樹木という生物

第13章・森林の役割

森林の進化/森林の破壊/ある教訓的物語/熱帯雨林/林業/単一栽培の不毛性/生物多様性/森林のエネルギー

第14章・樹木という生物とその性質

生物圏の中の樹木/樹木の形態/樹木と人間その共生関係/樹木と色彩/樹木の物理的性質/樹木の分類/光を求める木、蔭を求める木/光が促す生長/人間による破壊/光合成の重要性/未成熟な水/水の成熟

第15章・樹木の代謝

樹液の動き/樹木の中の温度勾配/「バイオコンデンサー」としての樹木/根系/土壌と栄養

●第5部●自然との共働

第16章・土壌の肥沃化と新しい耕作方法

集約農業の危機/新しい耕作方法/二種類の電磁気/金の鋤/生体鋤/畝間の並べ方/放牧と草刈り/化学肥料という毒

第17章・ヴィクトルの有機農法

生物学的農業/土壌の無機成分の補充/有機農法/バイオダイナミック(生命力学)農法/自然界における微細エネルギーの役割/冷たい炎/肥沃化させるエネルギー

●第6部●エネルギーの革新

第18章・内破パワーを利用する

「内破(爆縮)」研究の始まり/アメリカのコンソーシアム/新種の航空機?/ヴィクトルの新エネルギー研究/生物学的真空/冷たい核融合0/湧き水をエネルギー的に生成する/内破エンジン/リパルシン(脈動式機関)と「空飛ぶ円盤」

第19章・ヴィクトル・シャウベルガーと社会

ヴィクトルが人類に遺したもの/未来はどうなるのか?

補遺

ヴィクトルの未来図を具体化する/スウェーデン/オーストリア/ドイツ/イギリス/デンマーク/アメリカ/オーストラリア

訳者あとがき

原註

【著者紹介】
アリック・バーソロミュー(Alick Bartholomew)
ケンブリッジ大学で地質学と地理学を専攻した後、シカゴ大学の大学院課程を履修。アメリカで編集者として、レイチェル・カーソンの名著『沈黙の春』の刊行に携わる。20年以上にわたりヴィクトル・シャウベルガーの業績の研究を続け、その成果を本書にまとめる。

【訳者紹介】
野口正雄(のぐち・まさお)=1968年京都市生まれ、同志社大学法学部卒。医学関係をはじめ自然科学系の文献の翻訳に従事している。京都市在住。。

▽四六判上製
408頁

ISBN978-4-531-08164-6
初版発行 2008年4月

日本教文社刊

 

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