◆真のイスラームを求めて:
穏健派からの「良心の声」
真のイスラームは暴力と流血とテロの宗教ではなく、「慈悲」「思いやり」「寛容」の宗教だ――
大多数を占める穏健派イスラームの思想を明らかにし、世界の未来のためにイスラームの進むべき道を示した、世界的権威からの英知に満ちたメッセージ。
地球上に13億人のムスリム(イスラーム信徒)が生活している現状において、この世界第2の宗教の人間観・道徳観・世界観を正しく知るための必読書です。
読者の方々の、イスラームに対するイメージが大きく変わる本。
*真のイスラームは決して非人道的行為を認めない
*過激派は歴史の中でどのように生まれ、なぜ大きな勢力となったのか?
*イスラームは本当に他の宗教・文化を認めないのか?
*イスラームの教えは本来民族主義ではなかった
*真の「ジハード」とは異教徒との「聖戦」でなく、欲望との戦いと善のための努力である
*厳格主義か穏健主義か? イスラーム世界が直面する2つの選択肢
*イスラームへの無関心・偏見・嫌悪こそが、テロリズムの温床に
*イスラームに受けがれてきた人権思想の長い伝統とは?
*イスラームにおける女性の自由と権利
【目次より】
日本語版への序文
はじめに
●第1部●真のイスラームをめぐる闘い
第1章 過激派と穏健派の分裂
*穏健派と厳格主義者:用語について
第2章 現代のイスラームをめぐる問題の根源
*宗教的権威をめぐる戦い
*宗教的権威の空白の本質
第3章 初期のイスラーム厳格主義
*ワッハーブ派の起源
*サラフィー主義の起源
第4章 現代のイスラーム厳格主義者たち
●第2部 ● 穏健派と厳格主義者はどこがちがうのか
第5章 あらゆるムスリムに共通する義務
1.信仰告白(シャハーダ)
2.礼拝(サラート)
3.断食(サウム)
4.喜捨(ザカート)
5.巡礼(ハッジ)
第6章 神と創造の目的
第7章 法と道徳の性質
第8章 歴史と近代性へのアプローチ
第9章 民主主義と人権
第10章 非ムスリムと救済について
第11章 ジハード、戦争、テロリズム
第12章 女性の本質と役割
結び
謝辞/訳者あとがき/原註
【著者紹介】
カリード・アブ・エル・ファドル(Khaled Abou El Fadl)
1963年クウェートに生まれる。現代を代表する有力なイスラーム思想家の一人。イスラーム法研究の第一人者でありジャーナリスト。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のロースクール(法学校)教授で、イスラーム法のほか、移民法、人権法、国際および国家安全保障法などを教えている。CNN、NBC、PBS(アメリカの公共放送)などのテレビやラジオにも多数出演し、イスラーム厳格主義や過激派に対する穏健主義の立場から、イスラームと国際社会の将来について数多く提言を行う。著書に、『Speaking in God's Name: Islamic Law, Authority and Women』『Rebellion and Violence in Islamic Law』など多数がある。
【訳者紹介】
米谷敬一(こめたに・けいいち)
翻訳家。1953年生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。訳書に、『世界の心理学50の名著:エッセンスを学ぶ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)他がある。
【原著タイトル】
THE GREAT THEFT: Wrestling Islam from the Extremists by Khaled M. Abou El Fadl (2005) |